アーティストインタビュー第4弾

こんにちは、編集部のryoです。

今回は画家の Atsuo Yokoyama さんをメールにてインタビューさせていただきました。

今回も10の質問項目を設け、お答えいただきました。

ARTBOXが聞く 10の質問

Q1. いつからアートに興味を持ち始めましたか?


A:物心ついた時から絵を描くことは好きで、教科書に落書きをすることがやめられない子供でした。
小学校時代、図工の授業で自分が針金で作った作品(オブジェのようなものだったかと思います)を先生に褒められたことがきっかけで、美術作品を作る、ということに興味を持ち始めました。その後も絵は積極的に描いていましたが、人に見せることはありませんでした。


Q2. NO.2に伴って、いつから本格的にアートに関わり始めましたか?


A:はっきりと覚えています。30歳になる年でした。東京に住んでみたくて上京し、そこで最初についた仕事に慣れずに3ヶ月で退職してしまいました。「自分は何のために生きているのか?このまま漫然と人生を過ごしていていいのか?」本当の意味での”自分の生き方”を考えていたときに、小さい頃から絵を描くことが好きだったということを思い出しました。「自分の中に閉じこもった”趣味”で終わらせず、本格的に”アート”として自分の絵をみんなに見せてみよう。そして、高みを目指してみよう。」と心に決め、銀座にある絵画教室を受講し始め、先生と相談しながら、「自分にしかできない表現」を模索し始めました。


Q3. あなたが好きなアートのジャンルは何ですか?


A:基本的にはジャンルレスですが、インスタレーションよりも絵画作品の方が好きかもしれません。写真と見まごうような精密画よりも、自分の衝動をそのままキャンバスにぶつけるような作品に魅力を感じています。あとは大きな作品が好きです。休日、たまにギャラリー巡りをするのですが、自分の身長よりも大きな絵画が目の前にいきなり現れた時の圧倒される感覚というのは、いつ感じても良いものだと思います。


Q4. 好きなアーティスト(影響を受けたアーティスト)は誰ですか?


A:上の質問の答えと少し被ってしまいますが、自分の衝動をそのままキャンバスにぶつけるような作品に魅力を感じています。
色々な作家の作品を見にいくので、様々な作家から少しずつ影響を受けていると思いますが、特に自分自身が影響を受けた作家は、バスキアやサイ・トゥオンブリーだと思います。特にバスキアは今でも自分の絵画表現の根幹にいるくらい影響を受けています。六本木で彼の大規模な個展が開催された時、あまりにも衝動的で自由で大胆な作風に心を撃ち抜かれました。自分のスタイルで悩んだ時は、あの時に味わった感動に立ち返ることにしています。また、ピーター・ドイグやハーヴィン・アンダーソンなども、僕にインスピレーションを与えてくれる作家です。


Q5. 最近の作品のテーマや題材について教えてください。


A:最初期はバスキアに影響を受け、「頭蓋骨を描く」というテーマを一貫して貫いた作品を何枚も描くというスタイルでしたが、だんだんとそこから離れていき、頭の中に思い浮かべたイメージをそのまま形にしてみたりと、色々と試行錯誤を続けた結果、最近の自分の作品のほとんどは古本の写真や古い映画のパンフレットからイメージの種を拾い、そこに自分なりのアレンジを施して描いています。作品のテーマや題名は描いてから決まることがほとんどです。


Q6. 最近の作品の表現方法について教えてください。


A:絵画のモチーフたちにテーマを持たせたり、物語を演じてもらうということはせず、ただ画面と対峙し、構成や色のバランス、そして制作途中に偶然現れた絵具の動きを楽しみながら試行錯誤して完成させていきます。たまにコラージュを用いて画面にアクセントを与えます。1番大事にしているのは大胆さと好奇心、正確性を意識しすぎて硬くならないようにするといった点です。最初に思い浮かべた完成形と違う方向に作品が進んでいくこともよくあります。1番考えるのが「どこで完成とするか?」ですが、あえて言葉にすると、作品が「完成」と言ったら完成ということにしています。それ以上手を加えると作品全体が振り出しに戻ってしまうというようなボーダーラインがあるような気がしていて、そこを超えるか超えないかのギリギリを責めています。最近の自分の作品には下書きをそのまま残したり、塗り残している部分があったりしますが、そこを塗ってしまうとそのボーダーラインを超えてしまうような気がしたからです。


Q7. アート作品を手がける(絵を描く)ことに対する、あなたの喜びはどこにありますか?


A:描くたびに自分の価値観や世界観が更新されていくところでしょうか。今まで見ることができなかった世界がキャンバスの中にゼロから生み出されていく感覚は、絵画を描くということの持つ大きな魅力の1つだと思います。すべてが上手くいくわけではないので、しんどくなる時もありますが、そういう時に今までの自分では考えられなかったようなアイデアがポンと降りてくることもあり、そういう時は自分で描いたとは思えないような作品が出来上がったりします。面白いのは、自分ではあまり渾身の作とは言えないものが、人からはとても素晴らしいと言って頂ける事です。そこから自分の制作のヒントが湧き上がってくることもあるので、楽しみは尽きません。


Q8. 今までの作品で一番思い出に残るものについて、教えてください。


A:去年原宿で個展を開催した際に、自分の大変お世話になっている方に絵を1枚買っていただいたことがとても嬉しく、今でも鮮明に記憶に残っています。
また今年、とてもありがたいお話を頂き、去年から今年にかけて制作した4枚の絵画を、今年の夏から秋にかけてロンドンで開催された「Focus art fair London」で展示させて頂きました。中でもとても嬉しかったのは、そのアートフェアのイベントとして、出展されている作品を持ったモデルさんが、ファッションショーのようにランウェイを歩くというショーがあり、そこで自分の作品がランウェイを歩いた事です。開催場所も、サーチギャラリーという、ロンドンにある非常に有名なギャラリーで、まさか自分の作品がそのような有名ギャラリーの空気を吸えると思っておりませんでしたので、一生の思い出になりました。


Q9. こんな場所で、こんな方法で自分の作品を公開したいなど、理想や憧れなどはありますか?


A:憧れは尽きませんが、著名なギャラリーでの個展ができたら大変幸せです。その時は予算を気にせず、自分の身長より大きな作品を何枚も作って壁にかけ、観ていただける方の価値観を揺さぶるといったようなことをしてみたいです。


Q10. あなたにとってアートとはなんですか?


A:自分にとってのアートとは、一言で言えば「自分が世界と繋がる鍵」です。世の中にもあまり馴染めず、あまり人とコミュニケーションがうまく取れない私にとって、アートや絵を描くことは僕にとって、好きを超えた「言語」といってもいいくらい自分の中の重要な要素の1つです。実際、アートを本格的に始めてから色々なことを経験させて頂きましたし、今までの自分では考えられないくらい有難い出会いや、交友関係も増えました。今、自分の人生の歯車を自分で動かしている感覚を味わうことができており、それもアートに出会えたおかげだと思っています。アートとの出会いに感謝です。

インタビューを聞いて

昔から教科書に落書きをすることがやめられない子供だったというAtsuo Yokoyamaさん。

30歳になるまでアートは、趣味の範疇にとどまっていたといいます。

しかし″趣味″から″本格的なアート″へと変わるきっかけがその頃にありました。

 

慣れない仕事や環境、様々な要因があったかと思います。

そこには、憧れた上京から3か月で退職という人生の分岐点が彼を待っていました。

 

普段人は、人生を漫然と過ごし、前に敷いてある道を歩むものです。

心に思うことはあっても実行に移せない人がほとんどです。

ましてや退職したら転職、というのが一般的な回答だと思います。

しかしAtsuo Yokoyamaさんは、本当の意味での″自分の生き方″を考えたときに、″本格的なアート″で自分にしかできない表現をして高みを目指すという大きな決断をします。

 

アートに携わる方たちはAtsuo Yokoyamaさん含め皆さん、自分の中に広い世界を持っていると感じます。

その広い世界を他者に表現するためのツールとしてアートを使用します。

 

自分の思ったまま生きることが難しい世の中ですが、アートを通して自分を表現することを諦めないその生き方、とてもかっこいいですよね。

作品について

Atsuo Yokoyamaさんは様々な作品を描いており、その多彩な表現に興味を持ち、今回インタビューのお声がけをさせていただきました。

 

インタビューの中にあった、

「絵画のモチーフたちにテーマを持たせたり、物語を演じてもらうということはせず、ただ画面と対峙し、構成や色のバランス、そして制作途中に偶然現れた絵具の動きを楽しみながら試行錯誤して完成させていきます。」

 

この偶然現れた絵具の動きを楽しむというのが、素人目からすると面白い表現だなと感じます。

私が描くとなれば、偶然=失敗であって、作りたいものからかけ離れてしまう気がしてしまうんですよね。

ただAtsuo Yokoyamaさんは、思い浮かべていたものと違う方向に進んでいっても、それ自体を作品の良さとして進めるそうです。

 

また、

「1番考えるのが「どこで完成とするか?」ですが、あえて言葉にすると、作品が「完成」と言ったら完成ということにしています。

 

このような感性って私のようなものからは到底出てこないだろう感性です。

そういった感性こそアーティストさんの持つべきものなのだろうな、と。

 

またAtsuo Yokoyamaさんが影響を受けた作家として名を挙げた、ジャン=ミシェル・バスキアやサイ・トゥオンブリー。

バスキアのような色使いや抽象的、時に具象的に。

サイ・トゥオンブリーのようなエネルギッシュさや、紙をコラージュする技法。

表現の根幹に根付いているんだな、と素人ながら感じられました。

 

『Messiah』
『Untitled』
『窓の無い家』

終わりに

今年の夏から秋にかけてロンドンで開催された「Focus art fair London」で展示された際に、ご自身の作品をモデルさんが持ち、ファッションショーのようにランウェイを歩いたそうです。

 

世の中にあまり馴染めず、コミュニケーションが苦手だと仰っておりましたが、アートという″言語″を通して本当の自分を表現している様がとても輝かしいです。

 

これからもその″言語″を駆使して様々な舞台で表現し続けてください。

Atsuo Yokoyamaさん、ご多忙の中、インタビューにお答えいただきありがとうございました!

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